ニッポーロッポーとは・・・ <<あてもなく歩く>>という意味です。
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演劇のチラシを描くことになる

新大久保の韓国街に彼らはいた。
それはそれは貧しい劇団で、団長もいつも貧乏だと言っていた。
チラシをとりあえず描くってことで入ってみたんだけど。。。
お話を描くのが好きだといったら書かせてくれました。
ほんとに、何から話せばいいのか分からない。たくさんの人に出会って迷惑かけたりしたのだけれど。

一番残っているのはやっぱり団長の事だと思う。
彼は 40 代だか 50 代だかのおじさんで、ツチノコを探すだとか言い張っているなかなかのクレイジーオヤジでした。
返ってこないと分かっていてお金を貸したりしていた。
私にもよく、奢ってくれていた。
自分ももってないのに・・・・・

私は脚本のためパソコンを借りるためによく家に行っていたのだが、彼が生きてきたその経緯をよく私に話してくれた。
お金持ちであった事とその顛末を。

「別に結婚なんてできなくてもいいや」
と言っていた私に
「した方がいいよ。俺もそう思ってたけど、今、さびしくてしかたない」とつぶやいた。

彼の家は鍵が無く、梱包用のビニール紐でとめられていた。
だから完全にドアは閉まらない。
風呂はなぜか封印されていて、ベッドと、パソコンだけキチキチに部屋にあった。
そして猫が一匹。
わたしがお金が無さすぎてヤバかった時に親身になってくれたのが彼だった。
結局は自分でなんとかできちゃったので頼らなくても大丈夫だったのだけど。

そしてはたから見ていて彼がなぜ貧乏なのか、本当によくわかった。

話していても、人を信じすぎて、期待しすぎているように思えた。
下ネタばっかりだったけど、ただ、本当に純粋な人だと感じた。
50 歳の皮を被った少年―。
これが彼の適切なイメージだと思う。
役者がよりいい事務所にいってしまうと、裏切られたかのように傷ついていた。
役者にとっては当然のことで、裏切りとも思えないけど。

彼自体がリアルじゃなくて、何か物語の中の主人公なのではないかと今では思う。
見たこと無い虫の話なんかもしたなぁ・・・。
自分でも関心するほど、彼の話はよく覚えているんです。
尻すぼみになっていった彼の人生と個性はインパクト強かったからなあ。
人生的に、もっとハードな人を知っているけど、おかげで強くなったり、異様にひん曲がったりした人ばかりで、彼みたいなのは初めて会った。
ただ、「さびしくてしかたない」と言った彼の言葉は、深く深く刺さった。

絶対にこうなりたくない!

笑い話としてアレンジして書こうと思っていたのだけど、書けないよ。
私だって今でもお金持ちじゃないけど、別に貧乏でもない。
今なら海外旅行にだって行けはする。普通に生きていれば、そうそうならないと思う。
でも、彼の環境はそうそうじゃなかったって事だ。
普通の環境であれば多分普通に幸せに生きたであろうと思う。
だって、彼は薬物などにはまるほど愚かでもないし、自己主張の激しい変わり者でもない。
それなりに人に好かれ、それなりに常識人。
ただ、まあ、生活よりも好きなことを選んだあたりが普通じゃないのかも知れない。
あまりにやさしすぎるし、生活を選んだとしても、どうしようもない問題がありそうなのだけど。

私が書いた脚本は死ぬほどへたくそで却下になった。
自分でも何でここまでつまらないのかと思う作品になった。
その後、半年付き合いがあったか、とりあえず私は、いろいろあって関わるのが面倒になって縁を切ってしまった。
多分会うことも無いと思うし、会いたくは無いな〜。
嫌な人じゃないけど、多分オーラとかもらってしまう気がするんだ。
ただ、会えて話を聞けて本当によかったと思う。
経験は糧になるというし、この人と少し関わった事も、きっと私に必要な事だったんだろうな。

寂しかったり、
苦しかったり、
幸せだったり、
楽しかったりするのにも、
いつだって自分の中に理由があるんだな・・・・・

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